どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
フリーランスのイラストレーターになって長く生き残るには、具体的な仕事の取り方や必要な考え方まであらかじめおさえておくことが絶対に欠かせません。
そこで今回は絵を描く仕事で10年以上勤めた目線から、フリーのイラストレーターがどうやって次の新たな絵の仕事を確保していけばいいか詳しく紹介します。
フリーで生き抜くヒントをここで見つけてください!
あなたの選ぶイラストレーターへのなり方はどっちだ?
現在、フリーランスのイラストレーターになる道は主に2つあります。
① 画力に自信があるから今すぐフリーのイラストレーターになる!
② 技術や人脈を確立するためまず会社でイラストの仕事をしていつか独立する!
どちらを選ぶかはあなた次第ですが、そもそもフリーランスは資格がないので極論あなたが宣言すれば今すぐにでもフリーのイラストレーターにはなれてしまいます。
でも問題はどうやって仕事を得て生きていくか……ですよね?
次章より、まず基本的なことからおさえていきましょう。
あなたが仕事として描いていきたい絵の種類は何?
イラストレーターや絵を描く仕事の内容には、さまざまな種類があります。
📌ゲームのキャラクター・アイテム・モンスターデザイン
📌ライトノベルなどの表紙・挿絵
📌広告・パッケージ用イラスト
📌企業・自治体向けキャラクターデザイン……etc.
現在おそらくもっとも仕事数が多いのは、スマホゲーム関連のイラストを描く仕事でしょう。
一時期の過熱こそないですが今でもニーズは高いので、それなりのイラストスキルがあって仕事先とのつながりがあるなら一定の発注をもらえるかもしれません。
逆にそれ以外のジャンルだとまず会社に属したりコンペで選ばれる必要もあるので手間がかかるかも……?
もちろんあなたの絵柄や得意ジャンルによっても選びやすい、選びにくい仕事は大きく変わります。
やりたいこととやれることのバランスをしっかり見極めながら、仕事を選んで進んでいくことがカギになるでしょう。
技術が足りないと感じるなら仕事を取る前にまずしっかりレベルアップ!
そもそもイラストの仕事をするならそのための技術・知識・デジタルスキルは欠かせません、特にフリーランスになりたいなら技能が低いと仕事1つ取るのも厳しいでしょう。
絵がヘタでもイラストレーター名乗ればいいなんて話も一部で見かけますが、さすがにそれは客をなめた身勝手すぎる意見です!
そもそも最低限のイラストスキルを身につけてから仕事を取るほうが圧倒的にラクでカンタンなので、あなたが少しでも画力で不安を感じるなら仕事探しより先に少しでも上手くなっておいた方が安全です。
以下では絵の上達のための効率的な手段をいくつか紹介するので、必要なら参考にしてみてください。
①「専門学校」で幅広くレベルアップする
実際にプロのイラストレーターになりたい人の多くが利用しているのが、イラスト関連の『専門学校』です。
もちろん一定の時間と学費は必要ですが絵やイラストの仕事をするために必要なスキルや知識を順序だててじっくり学べるので、独学でやみくもに進めるよりはるかに効率よく上達していけるでしょう。
最近は平日忙しい人向けに土日や夜間の教室もあり誰でも利用しやすくなったうえ、コロナ禍以降は感染対策からオンラインや通信講座など自宅で学べる環境も増えていて社会人にもおすすめです。
以下ではそんなイラスト関連で就職実績や人気の学校をいくつか紹介しておくので、参考にしてみてください。
ヒューマンアカデミー「イラストレーター専攻」
公式サイト:https://ha.athuman.com/
全国18校展開している大手専門校でどんな人でも通いやすく、都心部のイラスト仕事情報も校内で共有できるため地方在住でも不利に働きません。
仕事の職場で役立つ実践的能力が身につけられる環境を重視していて、在学中の頑張り次第では在学デビューや早期内定も可能です。
イラストレーターや漫画家など80名以上ものプロの現役クリエイター講師による少人数制授業も評判で、苦手な部分も一人ひとりによりそった指導で克服へと導いてくれます。
実際にインターンシップ(在学中の職業体験)を経験した学生の7~8割がそのまま企業に就職・アルバイト採用されている実績もあるので、就活時の不安も少なく進めていけるでしょう。
昼間の授業以外に夜間/週末講座があるだけでなく自宅で学べる『通信講座』も整っているので、希望にあわせた利用も検討しやすいはずです。
また一般向けの『イラスト・マンガ総合講座』も運営されており、学校より費用や時間をおさえて絵が上達したい多くの人に利用されています。
代々木アニメーション学院
公式サイト:https://www.yoani.co.jp/
42年の長い歴史と高い知名度をもつ、エンターテイメントに特化した有名校です。
12万人以上もの卒業生がいて業界に無数のパイプがあるので、就職活動時だけでなく働きだしたあとも人脈に助けられたり心強く感じる機会が増えるでしょう。
アニメ・ゲーム・イラストなどエンタメ関係者と密接につながっている状況を活かし、各業界でいま求められている最新技術や設備をすぐ学び吸収できる環境が整っています。
単なる絵を描くスキルにとどまらず関連ノウハウ・デジタル技術など実践的な能力を身につけられるので、卒業後は即戦力のプロ一年生として活躍していけるでしょう。
環境やカリキュラムが充実していることから絵の仕事に転職したい社会人も最近は多く利用しており、働きながら学びやすい夜間・土日や週1コースなども人気を集めています。
アミューズメントメディア総合学院
公式サイト:https://www.amgakuin.co.jp/
学習過程で実際の商品をつくって市場に送りだせる実践型スクールで、校舎こそ東京・大阪の2箇所ですが業界就職率94%と高い実績を誇っているのはクリエイター志望にとって大きな魅力と映るでしょう。
他の学校にない大きな特徴が学内に「出版事業部」をもち外部企業とマンガ・イラスト本などを企画・商品開発を行っており、学生にとっての貴重なデビューチャンスにもなっています。
卒業後の進路・職種にも幅広く対応しており、生徒一人ひとりの適正を見きわめた徹底した個別指導でデビュー&就職のサポートを細かく実施しているのがポイントです。
絵以外の様々な将来の悩みや不安も丁寧に相談に乗ってくれる環境で、不安なく夢に向かって進んでいけるでしょう。
②一般向けの「イラスト講座」を使う
学校の費用が確保できなかったりすでに社会人として働いていて通う時間が取れない人には、より安価に短時間で学べる『イラスト講座』という手もあります。
平均受講期間は半年前後と専門学校より短期間で費用も学校の2割程度ですむので、時間やお金をおさえてコスパよく技術を身につけたいときの代替手段としても非常に人気です。
絵を将来仕事にしたい人に評判の実践的な講座を紹介しておくので、あわせて参考にして下さい!
イラスト・マンガ総合講座
公式サイト:https://human-yakan.com/
専門でも紹介したヒューマンアカデミーが絵を将来の副業や仕事にしたい人向けに運営している『イラスト・マンガ総合講座』は、絵の基礎からクリスタ・キャラデザ・背景…と実践的で多彩なスキルをコースで選んで学べます。
通いもありますが、最近は自宅で進めていける便利なオンラインや通信講座が特に人気です。
受講形式を自由に選べるので、仕事で忙しい社会人や家事・育児で多忙な主婦の方でもスキマ時間に自分のペースでイラストや漫画の技術を伸ばしていけるでしょう。
豊富な教材はDVD付きで受講終了後も手元に残って何度も復習できるので苦手部分もしっかり克服できます、さらに絵のキャリア相談も可能です。
質問は講師に講義で直接聞ける以外に24時間対応チャットまで整っているので、夜中に一人で描いてて悩んでもすぐ疑問を解消して描き続けられるでしょう。
絵の仕事がない!と悩まずにすむフリーランスイラストレーターの特徴10選
ちなみに自分は昔ゲームのアートディレクターとして勤めていて、多くのイラストレーターさん達と直接関わりがありました!
なかでも仕事のできるイラストレーターには、次のような特徴が見られると当時仕事でよく感じていました。
📍 連絡を欠かさない
📍 修正対応が早い
📍 納期を守る(むしろ前倒し)
📍 絵の仕上げが丁寧
📍 仕事を選り好みし過ぎない
📍 描き分けパターンが豊富
📍 余計な言い訳をしない
📍 指示書に対しさらに提案できる
📍 アラートは早めに上げる
📍 しつこく営業ばかりしない
フリーで仕事をする基本姿勢としてなにより大切なのはクライアントへの連絡を欠かさず、ミスに対して不必要な言い訳をせず、素早く誠実に仕事をしていくことです。
(……そういう人だと仕事を発注する側もつい優先して頼みたくなっちゃうんですよねw)
フリーランスのイラストレーターにこそ、実は一般的な社会人としての常識が欠かせないことはぜひこの機会におさえておいてください。
フリーで食べていくときに必須のお金の考え方
仕事の種類・量・技術やキャリアで、イラストレーターの収入には大きな差がついていきます。
たとえばゲームのカードイラストの場合(背景・服装差分ありなしの条件でも変わりますが)、イラスト1枚の単価は2~8万円くらいの範囲です。
調整をのぞいた実作業に3~5日程度かかるとして、週1日を休みにあてた場合は修正込みでひと月4~5点ほどが制作できる最大値となります。
時給換算して(調整含めて)どれくらいになるか、現実的にやれる作業か? 見積もりを出してクライアントに了承もらえるか?? ……など総合的に判断しながら仕事をしていく必要があるわけです。
またフリーのイラストレーターがある程度余裕のある生活を送れるためには、数年はほぼ休みなく描き続けることも多いでしょう。
そのためにも安定した絵の仕事の取り方を知って確実に実行していくことが重要なんです!
フリーランスのイラストレーターとして安定して食べていける仕事の取り方10選
絵の仕事の取り方はいくつもありますが、ここでは特に代表的な10の手段(順不同)をまとめて紹介します。
いくつか例としてくわしく紹介します!
①ストックイラスト
『ストックイラスト』は素材として使えるイラストを描いてアップしていき、ユーザーにダウンロードされると小銭が入るシステムです。
代表的なものとしてはイラストAC、PIXTA、Adobe Stock等があります。それぞれ単価や手数料が変わり、また著作権の扱いにもだいぶ差があるのでしっかり吟味してください。
ストックイラストで稼ぐコツはとにかくイラストの数を多く、定期的に上げていくことです。そうすることでサイト内の検索でも上位になり、多くの人にダウンロードされやすくなります。
単価自体は安いですが好きなペースで進められるのとお金が入ってくるハードルが他の手段とくらべてかなり低いので、最初の絵の副業としても進めやすいでしょう。
最初のイラスト副業として取り組む人はかなり多いですね
②ココナラ
公式サイト:https://coconala.com/
一時期テレビCMもやってた「ココナラ」は、似顔絵やキャラクターデザインなど個人の得意分野を商品・サービスとして展開できるサービスです。
最近だとVtuberの3Dモデルや、YouTubeのサムネイル・漫画イラストなどもニーズがあります
ストックイラストのように好き勝手進めるわけではなく、依頼者ありきで希望商品を制作していきます。
得意分野が明確なほど使いやすいでしょう、ただ勝手にダウンロードされるストックと違って直接お客さんと関わるのでやり取りは細心の注意・配慮が必要です。
またこのようなプラットフォームは売上から手数料が引かれるのが一般的です、ココナラも20%前後かかるらしいので想定に入れておきましょう。
プラットフォームの利点は集客の手間もなく販売フローもラクという点です、メリット・デメリットで考えましょう!
③クラウドソーシング
ランサーズ・クラウドワークスなどが特に有名ですが、クライアントの募集に応じてコンペに挑戦するなどして仕事を受けていくプラットフォームです。
そのため未経験の人よりある程度スキルに自信がある人向けです、またコンペがメインだと最初は通らないことがほとんどなので最初は割り切って取り組む期間も必要でしょう。
実績を積んでいけばクライアントから直接依頼を受けられることもあるので、うまく行かなくてもある程度続けていくことが欠かせません。
④SNS等での情報発信
SNSやブログに絵や作品をアップしていき、それを見て気に入った人から仕事をもらう流れも最近は増えています。
ちなみに自分の著書出版も、ブログ発信してたおかげで出版社の編集さんに声かけてもらったのがきっかけでした!
情報発信は、個人のブランディングの面でもきわめて有効でいまや欠かせません。
発信さえしていれば気に入ってくれた相手から勝手にアクションを起こしてもらえるため、待ちの姿勢で仕事が手に入るのは今の時代ならではの大きなメリットでしょう。
ただSNSもブログも人の目につくには時間や戦術が必要なので、長期戦を覚悟して進めましょう!💦
🔻絵で稼ぐための関連動画
……いろいろ見てきたように絵の仕事の取り方は数多くありますが、なかでも心強いのはやはり過去のつながりで得られた人脈(つて)からもらう方法でしょう。
会社組織に一切守られていないフリーランスの立場で一番大切になるのは、結局人とのつながりで生まれる「ご縁」です。
同じレベルのイラストレーターが2人いてどっちかに仕事を発注したいとクライアントが悩んだら、縁もゆかりもない人より接点のある方を選択するのは……当然ですよね?
普段から様々なバックボーンの人と関わりを作って大事にしておくからこそ、いざというときにも真っ先に思い出してもらえるようになります。
まとめ
イラストレーターは昔と比べるとかなり門戸が広くなったとは言え飛び込んで生き残っていくには大変な世界です、絵だけを描いて生きていこうとするのはあまりに過酷です。
でもだからこそ、現代ならではの数多くの方法を並行して進めながらあなたの稼げる手段をどんどん増やしていきましょう。
リスクヘッジも進めながら、大好きな絵でもしっかり稼げるように頑張ってください!
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